こんにちは。ロージーライフです。
史上最強世代はいったいどの世代なのか・・・。
古くはロングエース・タイテエム・イシノアラシの世代や、タケシバオー・アサカオー・マーチスの世代、トウショウボーイ・テンポイント・グリーングラスの世代をよく耳にするよね。
最近だとドウデュースとイクイノックスが走った2022年クラシック世代やキタサンブラックとドゥラメンテといったスーパーホース同士のライバルが存在した最強世代と言えるかもしれない。
ちなみにぼくが大事にしている最強世代の5つの要素はというと・・・。
- 評判になってる馬たちがしっかりと勝ってクラシックに向かう
- 3冠レースでその馬たちが上位を争う
- 3歳の秋のG1で古馬相手に結果を出す
- 明け4歳の春の重賞をそれぞれの馬が勝つ
- 4歳の秋には下の世代を抑え込む
この5つの要素にできるだけ該当してる世代が最強世代と言っていいだろう。さて、ここではぼくが強烈にインパクトに残った4つの世代を想いを込めて紹介しよう!想いを込めすぎて、少し長くなってしまうかもしれないけれど。
1998年スペシャルウィーク世代
正直な話「史上最強世代は?」という問いには答えがある。それがこの1998年クラシック世代である・・・。
武豊騎手に初のダービー制覇をもたらし、物語の主人公のように日本競馬を引っ張って行った日本総大将スペシャルウィーク
朝日杯を驚愕のレコードで制し、グランプリ3連覇を成し遂げた怪物グラスワンダー
距離不問で芝もダートもお構いなし、国内でも海外でも、良馬場でも不良馬場でも、逃げでも差しでも結果を出す自由自在の走りを武器にで世界的な名馬となったエルコンドルパサー
この3頭の他にも皐月賞と菊花賞を逃げ切った白い逃亡者セイウンスカイ
クラシック戦線で活躍し古馬になって短距離路線に向かい高松宮記念を勝ったキングヘイロー
安田記念とマイルCSを同年に制覇しマイル王に輝いたエアジハード
フランスの1000mのG1アベイユドロンシャン賞を制覇する快挙を成し遂げたアグネスワールド
最強マイラーと呼ばれたタイキシャトルにスプリンターズSで土をつけたマイネルラヴ
牝馬路線では桜花賞と秋華賞の2冠を達成し古馬になりエリザベス女王杯を制覇したファレノプシス
ダート路線ではフェブラリーSとジャパンカップダートを制覇したウイングアロー
マルゼンスキーのレコードタイムを破る衝撃のレースを見せた怪物グラスワンダー。天才武豊が成し遂げていなかった悲願のダービー制覇を5馬身差の圧勝でプレゼントしたスペシャルウィーク。NHKマイルCを5戦無敗で制覇したエルコンドルパサー。3歳春の時点でこの世代が特別なものだと多くの人が感じていただろう・・。
3歳秋にジャパンカップをエルコンドルパサーが。有馬記念をグラスワンダーが制覇し人々の予感は確信に変わる。明け4歳のスペシャルウィークがAJCC、阪神大賞典、天皇賞春の3連勝でメジロブライトやシルクジャスティスに力の違いを見せつけ、セイウンスカイは日経賞を5馬身差で勝てばマイル路線へと転向したキングヘイローは重賞2連勝を飾る。グラスワンダーは4歳初戦となった1400mの京王杯SCを後方から恐ろしい末脚で勝ち切ると、安田記念ではそのグラスワンダーを接戦の末にエアジハードが勝利する…!!宝塚記念ではグラスワンダーがスペシャルウィークに3馬身差をつけ圧勝するが、その後ろには7馬身もの差がついていた。欧州遠征に挑んだエルコンドルパサーはサンクルー大賞を持ったままの手応えで先団を飲み込み世界を驚かせ、凱旋門賞では不良馬場をものともせずにモンジューとの死闘を演じてクビ差の2着になるも「勝ち馬は2頭いた」と現地で賞賛を浴びる。天皇賞秋とジャパンカップではスペシャルウィークが王者としての風格を見せつけ、有馬記念ではグラスワンダーとスペシャルウィークの4cm差の歴史的な名勝負で競馬ファンを熱狂させた。まさに奇跡の最強世代。これを超える世代は今後出てくるのだろうか。
2001年アグネスタキオン世代
2001年のアグネスタキオン世代は、世代としてのG1勝利数などは秀でているわけじゃないけど、これまでにない無限の可能性を感じさせてくれたという点でとても印象的な世代だった。
光のようなスピードで皐月賞を制覇した幻の3冠馬アグネスタキオン
ダービー、ジャパンカップと得意の東京では無類の瞬発力を見せた密林の王者ジャングルポケット
菊花賞、有馬記念、天皇賞春と一瞬の切れ味で他馬を置き去りにしたマンハッタンカフェ
たった2戦で今もなお日本史上最強ダートホースに君臨し続けるクロフネ
皐月賞・ダービー2着の無念を古馬になって宝塚記念の舞台で晴らしたダンツフレーム
まず当確を表したのは札幌3歳Sで類まれな瞬発力を見せたのがジャングルポケット。3着に粘ったテイエムオーシャンもただの牝馬ではない大きな可能性を感じさせる非凡な才能を見せていた。
また武豊騎手が乗るクロフネがこれまで見たことがないよう迫力満点の馬体とフォームで2連勝を飾り大きな話題となっていた。
そして今でも語り草となっているラジオたんぱ杯3歳Sでそのジャングルポケットとクロフネを一瞬で突き放したのがアグネスタキオンである。一体何が起きたのかわからなかった。クロフネもジャングルポケットも間違いなく強い競馬をしていた。現に3着のクロフネと4着馬の間には5馬身もの差がついていた。この勝ち方に早くも「3冠間違いなし!」という声が上がるほど。
年が明けてクラシックロードに新たな衝撃が走る。アグネスタキオンと同じアグネスの冠名を持つ馬アグネスゴールドが無敗できさらぎ賞スプリングSの重賞連勝し一気に注目を浴びる。しかもまるでアグネスタキオンのようなものすごい脚を見せたのだ。きさらぎ賞で2着だったダンツフレームはアーリントンCを勝ち皐月賞に名乗りをあげた。ジャングルポケットもまた共同通信杯を力の違いを見せつけ勝利、クロフネも毎日杯を5馬身差の圧勝しさすがの存在感を示した。クラシック大本命アグネスタキオンは弥生賞に出走。不良馬場にもかかわらずあっさりと5馬身差をつけ、主役はオレだと言わんばかりの走りを見せた。
力のある馬たちが取りこぼさずにクラシックに揃い踏み、そこでも上位を争う。この構図が最強世代を印象づける大きな要素だ。残念なことにアグネスゴールドは皐月賞の前に故障してしまい、アグネスタキオンも皐月賞を勝って直後に故障を発生して引退してしまったが、この世代のすごいところはクラシック戦線に次々と新しい才能が生まれてきたことだ。札幌記念では圧倒的1番人気のジャングルポケットをあっさり交わしていく黒い影。それこそがエアエミネムである。その勝ち方から「黒いアグネスタキオン」と呼ばれた。僕に。
神戸新聞杯ではエアエミネムの2着に入ったサンライズペガサスの末脚の鋭さが目立った。菊花賞ではそのエアエミネムを寄せ付けずに新たな刺客マンハッタンカフェが優勝。
ジャパンカップダートではクロフネが7馬身差の圧勝で日本史上最強のダートホースと呼ばれ、ジャパンカップではジャングルポケットが覇王テイエムオペラオーを差し切る快挙。有馬記念でもマンハッタンカフェが上がり33秒台の末脚で優勝。4歳になってもサンライズペガサスが大阪杯をマンハッタンカフェが天皇賞春をダンツフレームが宝塚記念を制するなどの活躍を見せた。
アグネスタキオン、クロフネ、マンハッタンカフェなど残念ながら故障で引退してしまった馬が多く、98年世代には実績で劣ってしまうけど、次々と新しいスター候補が現れるのが見ていて楽しい世代だった。
2010年ヴィクトワールピサ世代
この2010年クラシック世代は僕の中では史上最強世代と言っても過言ではない。後から振り返ると最強レベルの馬はいなかったかもしれないが、世代トップ10で争えばこの世代が1番だろう。とにかく層が厚く個性的なメンバーが集まる世代だった。
皐月賞・有馬記念を制しドバイワールドカップまで制したヴィクトワールピサ
ダービー・天皇賞秋を閃光のような瞬発力で制したエイシンフラッシュ
朝日杯を制し、3歳でジャパンカップを繰り上がりながら優勝したローズキングダム
クイーンエリザベスCなど勝つときは圧倒的なパワーを見せるルーラーシップ
3歳の天皇賞秋で後方一気の末脚で2着に来たペルーサ
トゥザヴィクトリーを母に持つ良血の大器トゥザグローリー
天皇賞春を制しフォワ賞で2着に入ったヒルノダムール
NHKマイルCを後方一気の末脚で勝ったものの故障してしまったダノンシャンティ
この世代でまず注目されたのはデビューから2連勝を飾ったリルダヴァル。その勝ちっぷりから早くもクラシックはこの馬という印象を与えたが、すぐに骨折が判明し休養に入ってしまう。
後に「伝説の新馬戦」として語り継がれるレースで現れたのがヴィクトワールピサとローズキングダム。2頭が後続を引き離す競馬で来年のクラシックを予感させる走りを見せ話題となった。その期待通りにローズキングダムは3連勝で朝日杯を制して2歳王者に、ヴィクトワールピサはそこから5連勝でローズキングダムを逆転して皐月賞の栄冠を勝ち取る。ダービーもヴィクトワールピサで間違いなしかと思われたが、NHKマイルCを制したダノンシャンティ、無敗の4連勝で青葉賞を制したペルーサ、エアグルーヴ産駒の大器ルーラーシップが、青葉賞ではペルーサに敗れたものの素質だけはヒケを取らないと言われた良血トゥザグローリーなど、とにかくダイヤの原石がゴロゴロしていた。ダービーではスローペースになりエイシンフラッシュとローズキングダムの瞬発力が勝負を決めたが、秋になりダイヤの原石が輝き出す。
ペルーサは天皇賞秋で出遅れから目の覚めるような末脚をで2着に食い込み競馬ファンを虜にした。ルーラーシップが半年ぶりの古馬相手の鳴尾記念を快勝し有馬記念に名乗りを上げると、トゥザグローリーも中日新聞杯で古馬を破って有馬記念参戦を決めた。またNHKマイルCを制したダノンシャンティは骨折の休養を終え有馬記念での復帰を発表。ローズキングダムはジャパンカップを制覇し、3着には凱旋門賞帰りのヴィクトワールピサがしっかりと存在感を見せつけた。こうして3歳の有力馬たちが有馬記念に集結したのである!レースではなんと上位7頭のうち5頭がこの3歳世代だった。年が明けて4歳春がまたすごかった。日経新春杯、京都記念、日経賞、天皇賞春ではこの世代が上位独占。その後はオルフェーヴルの出現などもあって、なかなかG1では結果が出なかったけど、「新たな最強世代」と期待された2歳年下の世代と対決となった天皇賞秋では無敗のマイル王カレンブラックヒルが抜け出したところを内からエイシンフラッシュが一気に交わし去った。このときエイシンフラッシュが「どけ。俺たちが最強世代だ。」とたしかに言ったのを僕は聞いたんだ。
個人的にもサンライズプリンスやダークシャドウなどもG1クラスのポテンシャルを持っていたと思うし、みんな条件がつく個性派ばかりで楽しかった。
2016年サトノダイヤモンド世代
この世代は今となってはむしろ弱い世代と認識している人も多いかもしれない。しかし!実際にダービーまでは競馬史上でも指折りの世代レベルだったのだ!それはなぜか・・この時はまだディープインパクト産駒に早熟傾向があるという「ディープタイマー」がまだ知られていなかったからである!
ディープタイマーを知らない状態でサトノダイヤモンドやマカヒキのパフォーマンスを見た人は「このまま成長したらものすごいことになるんじゃ…!」と壮大な夢を思い描いた。
セリで2億4000万の高額がつき、その期待通り菊花賞、有馬記念を制したサトノダイヤモンド
時が止まったような末脚を武器にダービー馬となったマカヒキ
2戦目で朝日杯を勝ったモンスターリオンディーズ
無限の可能性を感じさせた天才シルバーステート
超ハイペースの皐月賞をコースレコードで駆け抜けたディーマジェスティ
武豊騎手とともに安定感抜群の走りを見せた優等生エアスピネル
つけ入る隙のない横綱競馬でデイリー杯2歳Sを勝ったエアスピネルのレースっぷりは「朝日杯はこの馬でしょうがないな」という諦めにも似たムードが漂った。予想通り単勝オッズ1.5倍の圧倒的1番人気で挑んだ朝日杯。直線で楽に抜け出し勝利を確信したその時、大外から黒いモンスターが襲い掛かった。このモンスターこそエピファネイアの弟リオンディーズである。まさに暴力的なまでの豪脚。兄以上の才能を感じさせる走りに競馬ファンは青ざめた。また2歳未勝利と紫菊賞を連勝したシルバーステートもその勝ちっぷりから世代ナンバーワンという声が集まるも残念ながら故障で戦線離脱。そのほか新馬と500万下を持ったままの楽勝を見せたサトノダイヤモンドはその馬体やフォームはまさに競走馬の理想のような、皇帝シンボリルドルフ級なのでは?という予感すら感じさせた。
3歳になると共同通信杯をディーマジェスティがパワフルなフットワークで勝利。きさらぎ賞をサトノダイヤモンドがやはり恐ろしい手応えで楽勝。弥生賞では朝日杯ワンツーのリオンディーズとエアスピネルをマカヒキがものすごい脚で差し切り、一気にクラシックの有力候補に名乗りを挙げた。
このようにこの年は「いったいどれだけ強いんだ?」という大きな可能性を感じさせる馬が揃っていた。特にサトノダイヤモンド、マカヒキ、リオンディーズ、シルバーステートの4頭はどれも歴史的な名馬になってもおかしくないほどのポテンシャルを秘めていた。
そして迎えた皐月賞。なんと1000m58秒4というハイペースをこともあろうにリオンディーズが早めに先頭を奪う展開に…!それを捕まえに行くエアスピネル、その後ろからサトノダイヤンドの激しい叩き合い!しかし最後はさらに後方にいたディーマジェスティとマカヒキが一気に飲み込んでフィニッシュ。ハイペースによって後方が有利となる展開だった。ダービーは平均ペースだったものの、後方はスローの展開。なんとそのなかで後方15番手にリオンディーズの姿があった。皐月賞を早め先頭で負けてしまったので今回は後方から行ったのだろうか。完全にチグハグな騎乗にファンはどよめいた。直線では抜け出しにかかるエアスピネルにサトノダイヤモンドとマカヒキが襲い掛かりマッチレースに。激しい叩き合いの末マカヒキがハナ差の勝利を飾る。リオンディーズは後方から脚を伸ばすも5着だった。
なんとこの世代では皐月賞とダービーの上位5頭の顔ぶれがまったく同じというとても珍しい結果になっている。5頭もの馬が飛びぬけていたまさに史上最強の世代だったのだ。この時点では・・・。
菊花賞と有馬記念をサトノダイヤモンドが制して「これはやはりシンボリルドルフ級か?」という期待も高まったが、4歳になると天皇賞春3着、フォワ賞4着、凱旋門賞15着とまさかの失速。マカヒキも3歳時の輝きを取り戻すことはなく、リオンディーズとディーマジェスティは故障で早々に引退してしまった・・・。