第1位 クロフネ

父フレンチデピュティ
母ブルーアヴェニュー
母父Classic Go Go
10戦6勝
NHKマイルC、JCダート
たったの2戦で「日本史上最強のダートホース」の座を手にした白い怪物。
ダート最強馬を語っても「クロフネでしょ?」とまったく論争にならない。
ゆったりと大きなストライドでデビューの頃からスケールの大きな走りを見せていたが、転機が訪れたのは3歳秋の神戸新聞杯。大外から追い込むも3着どまりで、素質はピカイチでもエンジンのかかりの遅さからもどかしい競馬になってしまった。
予定していた天皇賞秋を除外になり選択したのがダート1600mの武蔵野S。
ここで1分33秒3という芝なみのレコードタイムで9馬身差の圧勝という驚愕の走りを見せたのだ…!
続くジャパンカップダートでは前年覇者のダート王者ウイングアローに7馬身差の圧勝。
そして彼は伝説になった。
世界で通用するかどうかじゃなく、世界レベルの名馬になれたと思っているので不動のランキング1位。
第2位 フォーエバーヤング

父リアルスティール
母フォエヴァーダーリング
母父Congrats
9戦7勝
東京大賞典、ジャパンダートクラシック、全日本2歳優駿
全日本2歳優駿を7馬身差のぶっちぎりで優勝すると3歳の春にサウジダービーとUAEダービーを連勝すると、続くケンタッキーダービーでは大接戦の末3着に入った。まともに能力を発揮するのすら難しいアメリカの競馬で、それも最高峰のレースでこんな走りができるなんて…!!まさに常識を覆すスーパーホースである。
帰国後にはジャパンダートクラシックをあっさり制覇するとアメリカに再度遠征してBCクラシックでも3着と好走。また帰国後には東京大賞典を勝利。
常識では考えられないローテーションをあたりまえのようにこなして結果を出し続けるのでこっちの感覚がおかしくなるほど。
クロフネ一択と言われたダート最強馬論争についに争える馬が現れた。
サウジカップ後追記:もしかしたら1位と2位を入れ替えないといけないのかもしれない…。どうしようか。悩ましい!!
第3位 ホクトベガ

父ナグルスキー
母タケノファルコン
母父フィリップオブスペイン
42戦16勝
川崎記念2勝、南部杯、帝王賞、フェブラリーS
3歳でエリザベス女王杯を9番人気で制覇し、その後も牡馬に混じって札幌記念を勝つなど活躍を見せていたが、5歳で安田記念5着の後にダートのエンプレス杯を走るとなんと2着馬に3秒6の歴史的な大差をつけて圧勝する。ここからダート女王としての伝説が始まるかと思いきやなぜかまたしばらくは芝のレースに戻って連敗してしまうことに。
6歳になりダートに照準を定めると圧勝につぐ圧勝でダート重賞9連勝の快挙を打ち立てる活躍を見せる。
しかし合間にちょこちょこ芝のG1も走らされるなど、最後まで芝に未練のある陣営なのであった・・・。
先行して相手をちぎり捨てる競馬は絶対的な安定感があり、最後までダートでは楽勝ばかりで負けなしだった強烈な印象から3位にランクイン。毎月のように競馬雑誌サラブレでホクトベガの圧勝の記事を読みわくわくしていた思い出補正がかかっていると言われても構わない。ホクトベガが堂々3位である!
第4位 ウシュバテソーロ

父オルフェーヴル
母ミルフィアタッチ
母父キングカメハメハ
37戦11勝
ドバイワールドカップ、川崎記念、東京大賞典
5歳まではずっと芝のレースを使われ22戦3勝という成績だったが、ダートでその秘めた才能が解き放たれることに!!2022年4月から2023年12月までダートで10戦7勝とほぼ完ぺきな成績を残し、彗星のごとく現れたと思いきや、一気にドバイワールドカップまで制覇して世界一にまで駆け上ってしまったのである。
レースではのんびりと後方を追走して、やる気スイッチが入ればまくっていくという、つかみどころのない不思議な魅力を持つ馬でついつい応援したくなる存在。7歳になった2024年からは衰えもあってか、勝ち切れない走りが続いているがその魅力が失せることはないだろう。
第5位 スマートファルコン

父ゴールドアリュール
母ケイシュウハーブ
母父ミシシッピアン
34戦23勝
JBCクラシック、東京大賞典2勝、帝王賞、川崎記念
3歳時にジャパンダートダービーでサクセスブロッケンの2着、距離短縮で挑んだJBCスプリントもバンブーエールの2着になった後はひたすら裏街道をすすみ続け地方重賞6連勝を達成。「いったいいつになったらG1に出るんだ!」という競馬ファンの声をよそに賞金稼ぎにいそしむ毎日をおくる。
そんな中5歳秋にはサクセスブロッケン、ヴァーミリアン、カネヒキリなどが衰えを見せたとみるや一気にG1に参戦開始し、G1級を6勝を含む9連勝を飾る。といってもジャパンカップダートやフェブラリーSには出走せず得意の地方競馬場だけという手堅いローテーションで走っていた。
「いったいいつになったらドバイワールドカップに出るんだ!」という声が届いたのは衰えを見せはじめていた7歳の時で、ゲートにぶつかって大きく出遅れてあっけなく終わってしまう。
華麗なる逃げの戦法でトランセンドとの一騎打ちを制するなど、記憶にも記録にも残る名馬だった。
第6位 ゴールドアリュール

父サンデーサイレンス
母ニキーヤ
母父Nureyev
16戦8勝
ジャパンダートダービー、ダービーグランプリ、東京大賞典、フェブラリーS
タニノギムレットが制したダービーでシンボリクリスエスらと共に熾烈な2着争いを繰り広げる走りを見せたあと、ジャパンダートダービーでは2着に7馬身差をつけての勝利、続くダービーグランプリでは10馬身差をつけ新たなヒーローの誕生を強烈に印象づけた。同世代のライバルであるアドマイヤドンと人気を分け合ったジャパンカップダートでは負けはしたものの、アドマイヤドンとともに新時代の到来を予感させる走りを見せた。
東京大賞典、フェブラリーSとG1を連勝して、ドバイでの走りが期待されたがイラク戦争の影響で航空機が飛ばなくなってしまい遠征を中止することに。
アンタレスSではそのうっぷんを晴らすように59キロを背負って8馬身差の圧勝。ついに完成された。ここからゴールドアリュールの時代が続き、来年のドバイワールドカップ日本馬初勝利はこの馬だ!
と誰もが思った矢先、ノド鳴りを発症してしまい引退。
しかし種牡馬としてスマートファルコン、エスポワールシチー、クリソベリル、コパノリッキーなど活躍馬を次々と輩出し、自身の才能を後世に伝えている。
第7位 アブクマポーロ

父クリスタルグリッターズ
母バンシユーウエー
母父ペール
32戦23勝
川崎記念2勝、東京大賞典、帝王賞
まだ中央と地方の垣根が高く、ネットで情報を得る事のできなかった時代。
地方馬のメイセイオペラがフェブラリーSで中央馬を一蹴するというセンセーショナルな出来事が起こる。
そしてフェブラリーSの興奮さめやらぬ中「メイセイオペラより強い、凄い馬が地方にはまだいるらしい」という情報がサラブレしか読んでいない僕の耳に入ってきた…!地方競馬というのすらよくわかってなかった時代。なにやら怪しげな遠くの競馬場に最強馬がいるらしい…!
現役時代にレース映像を見ることはできなかったけど、噂だけで胸を躍らせた伝説の存在。
今でもダート最強馬の1頭と考えている人も多い。
第8位 カネヒキリ

父フジキセキ
母ライフアウトゼア
母父Deputy Minister
23戦12勝
ジャパンダートダービー、ダービーグランプリ、ジャパンカップダート2勝、フェブラリーS、東京大賞典、川崎記念
日本競馬では芝のレースこそが主流とされてきた。そんな時代についに現れた「ダート界の主人公」
ダートでは圧勝続き、武豊騎手と金子オーナーのタッグで「砂のディープ」と呼ばれ大きな注目を集めた。
さすがにディープほどの怪物的な強さではなかったけど、その大きすぎる期待にもしっかりと応えてダート王者として君臨するも4歳時に「不治の病」といわれる屈腱炎を発症し長期休養に入ってしまう。
2年ぶりの復帰戦となった武蔵野Sでは9着と惨敗。やはり難しいか・・・。
みんなが諦めるなか、カネヒキリだけは諦めなかった!
当時国内ダートG1を6連勝していた王者ヴァーミリアンと真っ向勝負の接戦を制したのである!!
この時の衝撃は相当なものでぼくの競馬衝撃ランキングでも5本の指に入っている。
そこからまたダート王者として君臨し、間が空きながらも2度にわたって王者に君臨したのはこの馬以外に存在しない!
第9位 レモンポップ

父Lemon Drop Kid
母Unreachable
母父Giants Causeway
18戦13勝
チャンピオンズC2勝、フェブラリーS、南部杯2勝、さきたま杯
国内では16戦13勝2着3回とほぼ完璧な数字を残し、能力の高さから1800mにも対応したが、特にマイル戦では歴代最強クラスのパフォーマンスを発揮した。重賞馬がズラリと揃った第36回のマイルチャンピオンシップ南部杯では2着に2秒差の大差をつけて見せた。
2000mを走ってないこともあってランキングではここに留めているけど、筋肉質のムッチリした馬体から繰り出すスピードとパワーは歴代屈指。
第10位 ヴァーミリアン

父エルコンドルパサー
母スカーレットレディ
母父サンデーサイレンス
34戦15勝
川崎記念2勝、JBCクラシック3勝、帝王賞、東京大賞典2勝、ジャパンカップダート
2歳時にはラジオたんぱ杯2歳Sを勝つなどしてクラシックでの活躍が期待されたが、まさかの大敗続きで3歳秋にダート路線へ。4歳時はダート重賞を勝つなどの強豪の1頭として存在感を示していたが、5歳で川崎記念を制覇するとそこからなんとダートG1を9勝するという前人未到の記録を打ち立てるまでに。
大きな着差をつけずに勝つタイプで派手さはないものの、絶対的な安定感を誇った。カネヒキリが「砂のディープ」ならこちらは「砂のオペラオー」といったところかな。
なにより2歳から8歳まで常に第一戦で戦い続けた点がこの馬の特筆すべき点で、こんな馬は他に見たことがない。ヴァーミリアンがレースを走ってるだけで実家にいるような安心感があったのだ!
幻の最強馬たち
その他にも、幻の最強馬と呼ばれるロマンあふれる馬がいるので紹介しよう。
まずは岩手の怪物トウケイニセイ。
43戦39勝という恐ろしい成績を残していて、鞍上の菅原騎手は「メイセイオペラより上。良い頃にドバイに言ってたら勝っていた」とコメントしたとか。
ダート戦に限れば6戦無敗で引退したライフタテヤマも幻の最強馬の1頭だ。ウインターSでは後のダート王フェートノーザンを赤子扱いしたことで神格化されている。
さて、個人的に本当に最強だったかもしれないと思っているのはエルコンドルパサー。
デビューから3戦はダート戦で桁違いのパフォーマンスを見せていた。とくに新馬戦は理解ができない走りなのでぜひ見て欲しい。芝でも馬場や距離不問だったので、ダートでもきっと世界レベルの走りを見せてくれたことだろう。
さいごに
ダート路線ってほんとにその時代を象徴する王者が君臨することも多くて芝の馬以上に比較が難しい・・・。
ランキングには活躍期間や実績も考慮してカネヒキリやヴァーミリアンを入れてるけど、アドマイヤドン、ホッコータルマエ、クリソベリル、ルヴァンスレーヴ、オメガパフューム、チュウワウィザード、エスポワールシチー、トランセンドあたりも実際のところ能力的に大きな差はないだろうしねぇ。
ぜひみんなの最強ダート馬もコメントで教えておくれ!